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読書日記h1

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本が好きなことの幸せ

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 主人公、中村秀雄は28才。一年後に受験する高校生の教師。
 本人はスキルス性の胃癌にかかっており余命1年を宣告されている。
 かかりつけの医師は診察以外にも、親身に相談に乗ってくれている。
 
 秀雄は生徒たちの顔を見ながら、ゆっくり話した。
 「受験まであと一年です。皆さんの中にはあと一年しかないと思っている人もいるかもしれません。
 あと一年しかないと思って何もしない人は、5年あっても10年あっても何もしないと思います。
 だからとにかくやれるだけやってみましょう。」
 
 主治医が言った。
 「誰か病気を理解してくれる人が側にいるといいね」
 またこんなことも言った。
 「ある人がね、たとえ明日世界が滅亡しようとも、今日私はリンゴの木を植える。」
 秀雄はこの意味をずっと考えていた。
 
 同僚のみどり先生とよく話すようになり結婚した。
 みどりは秀雄の病気をよく理解していた。
 「秀雄さんがいなくなって、逢いたくなればどうすればいいんだろう。」
 「逢いに来ますよ。もしどうしても逢いたくなったら....そうだなあ.....僕がプロポーズした場所を覚えてる?」
 「勿論です。あの大きな木のある場所ですね。」
 「ええ、そこに来てください。必ず僕は逢いに行きますから。」

 みどりは微笑んだ。
 秀雄も微笑んだ。
 
 
 
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by huutyann1 | 2012-02-20 09:34 | Comments(0)