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読書日記h1

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本が好きなことの幸せ

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  図書館のよく借りられている本のランキングに、東野さんの本が10位以内に4冊も入っている。
  私はこれまで東野さんの本を読んでいなかったけど、興味を持った。
  
  強盗殺人犯を兄に持ったことによって人生を狂わされてしまった弟の、あまりにも過酷な境遇が
  抑制のきいた文章で表わされていく。
  真綿で首を絞めるという表現があるが、この小説は読者にそんな迫り方をする。
  
  現実を直視せよと、著者は読者に語りかける。
  物語は静かに淡々と進んでいく。
  
  世間の差別は娘の幼稚園生活まで壊してしまう。
  
  ついに彼は手紙を刑務所に送る。
  「今までずいぶん兄さんのために迷惑をこうむってきた。就職のとき、結婚のとき、いずれも強盗殺人のv
  兄がいる、ということで駄目になった。自分だけなら辛抱するが(これまでもずいぶん辛抱してきた。)
  こと娘にまで及んでくるに到っては、兄さんと連絡を取るのを辞めたい。刑期が終わっても自分のところへ
  へは来ないで。」

  兄は初めて刑務所生活の寂しさに 弟に手紙を書き続け、弟の状態を考えてやらなかったことを
  謝る。ただの娯楽小説ではなく深く人間性を掘り下げた心温まる書である。
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by huutyann1 | 2015-03-16 16:39 | Comments(0)