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読書日記h1

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本が好きなことの幸せ

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Kさんが「合わせたい人がいる。」といった。
作家で麻雀好きらしい。
その店に行った。「いた いた」Kさんが嬉しそうに言った。
奥の席にその人はうなだれて目を閉じていた。
ポッコリとしたおなかが赤ん坊のようで、其のおなかの上に両手を行儀よく揃えて置いたぽっちゃりとした
手も赤ん坊のようだった。
眠っているその人の頭がデッカイ。
大きな頭と赤ん坊のような可愛いおなかと、行儀よく合わせた指が何とも愛らしく思えた。

時々麻雀に付き合ったり飲みに行ったり、旅打ちにも出かけた。

先生の小説を読んでいると、ある一点に目が止まった。
<自分のどこかが壊れている。>と思い出したのは其のころからだった。漠然と感じる世間というものが
その通りのものだとすれば自分は普通ではない。他人もそうなのかどうかわからない。
他人は他人で違う壊れ方をしているのか、いないのかそれもよくわからない。

サブローは雑誌を閉じた。

歯医者の話をした。
「Kさんにいい歯医者を教えてもらったんだけど、Kさんの知り合いらしいからあまりひどい歯を見せるのも
失礼だしね。だからその歯医者に行く前に少し直してから行こうと思っている。

編集のN君が「小説をもう一度書いてみませんか」といった。
僕はその気は全くないと答えた。
また引越しを考えている。というと「引っ越し先が決まったら教えてくださいね」という。「どうして?」と聞くと
「あなたと会っているだけでいいんです。」といった。

Kさんからの知らせで先生の突然の死を知った。先生には友情を超えた敬愛を感じていた。(先生は色川武大)

弟を亡くし、親を亡くし、妻を亡くし先生まで亡くした。もう書かないと言っていたサブローはまた書き始めた。



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by huutyann1 | 2016-02-24 16:52 | Comments(0)
舟を編むと言うのは大百科事典「大渡海」の編集を指している。
「西行」の項目で言えば
平安から鎌倉にかけて活躍した歌人であり僧侶。
出家前の名前は佐藤義清。23歳の時思うところあって出家。
以後諸国を旅し多くの歌を詠む。
「願わくば花の下にて春死なん、そのきさらぎの望月のころ」は現代に到るまで人口に膾炙した歌である。
自然と心情を巧みに読み無常観に裏打ちされた独自の歌風を築いた。

有限の時間しか持たない人間が広く深い言葉の海に力を合わせて漕ぎ出していく。
真理に迫るためにいつまでだってこの船に乗り続けていたい。

用例確認を終えた原稿に辞書編集員が総出で文字の大きさ・フリガナの始末を入れる。
すべて「大渡海」の編集方針に従い、企画が統一された表記になる。
「あ行」から出来上がった順に印刷所へ入稿する。

入稿した原稿は校正刷りとなって印刷所から戻ってくる。
辞書編集部員と校閲者が校正刷りをチェックする。
誤植はないか間違いはないかチェック項目は無数にある。
大渡海のような大きさの辞書は校正刷りのやり取りは初校から五校まで最低5回、もっと大きな辞書では10回に及ぶ。

15年の歳月をかけて、今を生きる辞書「大渡海」は日の目を見た。

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by huutyann1 | 2016-02-05 18:55 | Comments(0)