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最後まで自分らしく  井上治代


 インターネット上の仮想の墓が話題を呼んだ。
 PC画面に墓地が出てきて画面の中に、花や線香を上げる。
 この電脳墓には個人がHPを開いて家の墓や個人墓を作っているケースと寺院や民間会社が
 霊園を開設しているケースがある。
 電脳墓の一番のうたい文句は「家にいながら何処からでもお墓参りが出来る」です。
 
 散骨については日本では遺体を焼いたあとの骨は、形状が残っているので灰状にするには
 たたき砕かなくてはならないが、外国では骨を砕く機械を置いているところもあるそうです。
 
 遺言ノート
   ①死に際して伝えておきたいことと、病名・死期の告知・延命治療について。
   ②お葬式、お墓に関すること。
   ③愛しい者へのメッセージ。
   他にお知らせする名簿・流す音楽テープ・死装束・写真選びなど。
 
岩手県一関市には樹木葬があります。
 遺骨を散骨のように細かくせず土中に埋めその上に樹を植える方法です。
 91年、散骨が認められている。

 核家族化し、お墓の継承者もいない場合が多く、お葬式の形態も変化してきている。
# by huutyann1 | 2009-12-12 09:26

遠き落日  渡辺淳一

 
 吉川英治賞受賞作品。アメリカ・メキシコ・アフリカ等現地取材し膨大な資料と8年の歳月を費やした
 伝記小説。
 野口英世は1919年黄熱病の病原菌研究に功績したことにより、米国医学会から銀牌を贈られた。
 黄熱病はかつてペスト・天然痘・コレラとともに世界を震撼させた悪性伝染病である。
 野口は福島猪苗代湖の近くの三城潟の貧しい家に生まれた。
 母シカはしっかり自立してよく働き年老いてからも、産婆の免許を取ったような人であるが、父はまるきり
 だらしない役立たずだった。
 野口もまただらしない性格を受け継いでおり、渡米前後あらゆる人にお金を借り、返さずまた借りた。
 おそらく出資者は野口の将来に望みをかける気持ちがあったものと思われる。
 渡米の船賃を高額人に借り、一晩で飲み買いし、すってんてんになり、また借りる為に人に泣きつく。
 こういうことを何度も繰り返している。
 しかし勉強はとことん努力を怠らなかった。
 苦労して医師開業の免許を取り、東京に出る。
 歯科医で働きながら教鞭をとったり、北里研究所で最近の勉強をした。
 そしてアフリカに渡り押しの一手でペンシルバニア大学のフレスナー教授の研究室に入る。
 野口は東北人特有の粘り強さを持っていた。
 「野口はいつ眠るのか?」と周囲の人に不思議がられるほど、最近の研究に没頭した。
 のち、ロックフェラー研究所に入る。
 野口は苦労人の母を見て育ち、人並み以上の母思いであった。
 15年ぶりに帰国した彼は人目もはばからず母に孝養の限りを尽くした。
 50歳過ぎて黄熱病研究の為、妻メリーの反対を押し切ってアフリカに入る。
 そして自らの研究の犠牲になって、53歳でアクラにおいて生涯を終える。
 作者は札幌大学医学部の整形外科医であった経歴から、野口を肉体的な面から、また作家として
 精神的な面から見て遠き落日を合体させている。
 ヒューマニストにしてエゴイスト。
 孝行息子にして道楽息子。
 細菌王にして借金王。
 日本人にして国際人を見事に表現している。
# by huutyann1 | 2009-11-28 09:08

命・魂   柳 美里


 妊娠を機に妻のいる彼とうまくいかなくなり別れた。
 男は認知・養育費に関しても積極的ではなかった。
 毎日電話し、忙しい日は30分お茶を飲むだけでもよく、5分でも逢いたいとお互いに思っていたのに.....。
 昔、10年間同棲していた東とは別れてからも時々話していた。
 親兄弟よりも遥かに長く、親密な関係を結び、別れてからも月に1~2度は電話したり会ったりする関係を
 持続していた。
 妊娠のこと、今の彼とのことを東に相談したが、東は末期ガンだった。
 彼の代わりに出産にも立ち会ってくれた東は、抗がん剤の効き目も無く弱る一方だった。
 生まれた赤ちゃんと末期ガンの東との奇妙な生活が始まった。
 東は実の父親以上に赤ちゃんの世話をし、心配してくれた。
  
 ガンの治療のためアメリカにも行ったがはかばかしい結果が得られず、帰国。
 再び国立ガンセンターで抗がん剤・鎮痛剤を投与するが痩せる一方、嘔吐・下痢を繰り返した。
 東の壮絶なガンとの戦いもむなしく、私と赤ん坊は取り残された......。
# by huutyann1 | 2009-10-14 08:52

永遠の中に生きる。  柳澤桂子


 人間は死ぬものであると言うことを、各人が考えて毎日を充実させて生きることが大切。
 あまり平和すぎると私たちは自分が死ぬ運命を背負っている、と言うことを忘れがちですが「死ぬもの」
 と言うのが私たちの本当の姿。
 一遍の音楽・一つの文章がそうであるように、一冊の本もまた、ページとページの間にたくさんの感情を 
 含んでいる。
 何故、紙の間にこのような命の通ったものが入り込む隙があるのか不思議です。
 福井爽人さんの画が数多く挿入されていて、ちょっと押し花の感覚に似ています。
 柳澤さんは学者で難しい専門的な所は、理解しにくかったが爽やかなじっと見て次に読み進んだ。
      
          
# by huutyann1 | 2009-09-16 08:54

シャングリラ(上・下)  池永永一 


 時代の変わり目をテンペスト(嵐)となって生き抜いた王宮人の苛烈な愛と涙の物語。
 19世紀、琉球王朝舞台に、少女真鶴は国を救うため名を変え姓を偽り宦官となった。
 科試に合格し、王府の役人として、降りかかる難題を次々に解決し、最速の出世を遂げる。
 そんな彼女を阻む数々の敵。
 八重山に流刑されるが後、其の美貌と明晰な頭脳を買われ、王の側室として王府に呼び戻される。
 500年、王国にペリー来航となるが琉球で受け入れられず、日本へ向かい鎖国の日本を開国させる。
 そして尚秦王は東京に住まわされ500年続いた琉球王国は滅亡し、1879年沖縄県が誕生する。
 
# by huutyann1 | 2009-08-28 08:52


本が好きなことの幸せ


by huutyann1

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